快眠をつくるための3要素

快眠とは何でしょうか。

3つの要素があります。

一つ目は、睡眠の質です。「すぐに寝付ける」「夜中に目覚めることなく朝まで眠れる」「スッキリと目覚める」「昼間は元気にバリバリ働ける」といった条件を満たす眠りが、質の良い睡眠と言えます。

では、質さえ良ければ快眠と呼べるかというと、そうではありません。質を良くするためのリズムもまた、不可欠な要素です。

そのリズムを作り出しているのが、体内時計です。私たちの毎日の眠りは、疲れがたまれば眠くなる「睡眠欲求」のほか、体の中で約1日周期のリズムを刻む体内時計によって決められています。

これにより、人間は「昼に活動して夜に休む」という昼行性のリズムを持つようになりました。それは、長い進化の過程で確立してきた種の生存戦略と言えます。視界のきく昼間に活動をし、暗闇が訪れる危険な時間である夜は休息して活動レベルを下げることが、合理的で安全な方法だったのです。

体内時計が刻んでいるのは眠りと覚醒のリズムだけではありません。睡眠のリズムや体温のリズム、ホルモンの分泌などが、この約1日の周期で動いています。

この中で睡眠は、他と比べて良くも悪くも「柔軟」です。

例えば体温は、体内時計に逆らって上げたり下げたりすることはできません。しかし睡眠のリズムは「今日は徹夜しよう」と思えば無理が効きます。海外旅行に行って現地時間に合わせて頑張って早起きしてしまうことも可能です。

これは裏を返すと、「乱れやすい」ということです。ほんの少しのきっかけで、リズムは簡単に崩れるものなのだ、と心得て、意識的に整えるように心がけたいものです。

さて、質とリズムに加え、もうひとつ欠かせない快眠の条件は「量」、つまり睡眠時間です。

普段睡眠不足気味な方は、休みの日に遅くまで寝て不足分を補おうとしがちです。しかしこの方法では、疲れを根本から取ることはできません。睡眠は、単純な引き算と足し算のようにはいかないのです。

睡眠不足はだんだんと蓄積され、体と心と脳にダメージを与えます。

体の影響で第一に挙げられるのは免疫力の低下です。睡眠が不足すると風邪をひきやすいと言われるのはそのためです。同様に、アレルギー性疾患も発症しやすくなります。さらには、肥満、糖尿病、心臓病のリスクも高まるなど、様々な悪影響が出てきます。

スポンサーリンク

同じく、心と脳のコンディションも崩れてきます。交感神経を過剰に活動させてしまうため自律神経が失調し、心のメンテナンスが不十分になるのです。集中力が低下したり、注意維持が困難になったり、意欲が落ちたり、イライラしやすくなったり。

これらは、睡眠不足が脳の機能を低下させるために起こる現象とも言えます。

そもそも睡眠は、発達した大脳を効果的に休めるために進化してきた生命現象と言われています。私たち人間の脳は、他の哺乳類や鳥類などと比べても圧倒的に大脳が発達しています。その分、他の動物よりも眠りが必要なのです。

筋肉の疲れは横になって休むだけでも解消しますが、脳の疲労は睡眠によってしか回復しません。そして、脳の「休み方」にも、部分によって違いがあります。

脳には、「眠る脳」と「眠らせる脳」があります。前者が大脳、後者が脳幹です。脳幹は大脳がオーバーヒートしないよう、「眠りなさい」と指示を出します。それがいわゆる「眠くなる」状態です。

この時、脳幹のいうことを聞いて眠ればそれがベストなのですが、前述の通り、人は意志の力で睡眠を削ることができてしまいます。つまり、大脳が「眠いけどもうひと頑張りしよう」などと判断できてしまうのです。

こうして大脳が無理をすると、創造的な思考作業や論理的な判断は難しくなります。記憶力も落ちてきて、学習した内容も定着しません。

レム睡眠は脳内の情報を整理し、記憶を定着させる働きをします。

対して、ノンレム睡眠は、主に大脳の機能を休ませる働きをします。ここで睡眠が不足すると「整理・定着」より「休息」が優先事項になり、レム睡眠の時間は削られます。こうして、記憶の固定がうまくいかなくなってしまうのです。睡眠を削って勉強するのは、ある意味逆効果だということがわかります。

このように、より良い睡眠には何よりも十分な量が不可欠です。そして、質とリズムを加えた3要素をバランスよく成り立たせることが理想です。自分にとって十分な時間の睡眠をとり、規則正しく過ごし、メリハリのある生活を過ごせば、あなたにとっての「快眠」に近づくことができるでしょう。

スポンサーリンク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です