「東宝シネマズの横」略して「トー横」。
この場所には、全国から居場所を求めて若者たちが集まってきます。
トー横キッズと呼ばれる少年少女は、親の虐待やトラブルなどで家庭に居場所がない子どもたちがほとんどです。
10代の若者も多いですが普段はどのように過ごしているのでしょうか。
この記事ではトー横キッズの寝る場所や住んでいるところ、集まる理由について調べてみました。
目次
トー横キッズの寝る場所はどこ?
トー横キッズたちが寝る場所は主に4つあり、寝袋で野宿、ネットカフェ、ホテルのソファ、ホテル暮らしなどです。
出典:MBS NEWS・新宿歌舞伎町の「新宿東宝ビル」周辺にマットと寝袋を敷いて寝る
・ネットカフェ
→数人で泊まって割り勘
・ホテルのフロント裏側にあるソファや簡易ベッド
→仮眠は2時間くらい。監視カメラによる支配人のチェックがなければ3〜4時間寝られる。
・女子は立ちんぼをする人もいる。
→費用を得てホテル暮らし。
・男子はトー横の立ちんぼ女子から色恋で貢がせる場合も。
→費用を得てホテル暮らし。
「トー横キッズ」と呼ばれる若者たちが、新宿歌舞伎町の「新宿東宝ビル」周辺にマットと寝袋を敷いて寝る様子は、表面的には都市部における若年層のライフスタイルの一つのように見えるかもしれません。
しかし、その背後には、家庭や社会から疎外された若者たちの複雑な事情が存在しています。
トー横キッズ|コロナで若者が集まり始める
特に、コロナ禍において「ステイホーム」が求められた時期には、居場所を失った少年少女たちがこの地域に集まり始めました。
虐待家庭から逃げた子どもには、居場所が無い。
児相や警察行っても、結局家に帰されるケースが大半。
未成年者誘拐になるからまともな大人は泊めないし、カラオケやネットカフェも条例で夜は入れない。違法な場所に行くか、まともでない大人に泊めてもらうか、トー横みたいな所に辿り着くしか無い。
— 村田@元被虐児童 (@DYdZZP59VT2LSgG) April 7, 2024
SNSを通じて「住む場所を提供する」といった甘い言葉に誘われたり、家庭内の問題から逃れるために、あるいは経済的理由から自らの身を売りに出すケースも少なくありません。
中には「パパ活」を通じて生計を立てる少女もいますが、これらは根本的な問題解決にはなっていません。
トー横は家庭や学校以外の「第三の居場所」
こうした状況は、家庭や学校以外に「第三の居場所」が必要であるという以前からの指摘を再確認するものです。
しかし、適切なサポートや居場所が提供されない限り、多くの若者が不安定な状態に置かれることになります。さらに、一部の若者は家庭からの虐待を逃れるために「トー横」に避難するという、より深刻な背景を持っています。
今の若者たちにとって寝袋は「逃避」の道具となっています。
それは、社会的な問題や家庭環境の難しさ、経済的困窮など、多岐にわたる課題の表れとも言えるでしょう。
「トー横キッズ」の現象は、ただの若者の流行やライフスタイルの一面ではなく、社会的な支援や理解が不可欠であることを示しています。
社会全体で彼らが直面する問題に目を向け、根本的な解決策を模索する必要があります。
居心地の良い場所を求めるトー横キッズ
「トー横キッズ」は、東京都内の繁華街・歌舞伎町に隣接するエリア、通称「トー横(新宿東宝ビルの横)」で生活する若者たちを指します。彼らは様々な理由で家を出てきたり、街で過ごす時間が長いため、日常的に居心地の良い場所を求めています。しかし、彼らが直面する現実は厳しく、居場所を見つけることは容易ではありません。
東京都が歌舞伎町に居場所を提供|若者向けの相談窓口を設置するも活用されず
最近、東京都は若者たちが安心して過ごせる場所を提供しようと、歌舞伎町に若者向けの相談窓口を設けました。この相談窓口は、トー横に隣接するビルの3階にあり、ニックネームでの受付や、身分証明書や連絡先の提出不要など、アクセスしやすいように工夫されています。ここでは、若者たちが軽食を取りながら、テーブル席で話をしたり、ソファで休むことができます。
しかし、このような施設が提供されても、若者たちの間では厳しい声も聞かれます。ある13歳の少女は、「係の人は優しかったけど、相談はしなかった。どうせ家出しないで帰れって言われるだけだもん」と語り、他の場所で相談した経験があるが、それが役に立たなかったと感じているようです。
この相談窓口は、今年度から常設予定となっており、こども家庭庁も「こども若者シェルター」の整備に乗り出しています。しかし、トー横キッズが抱える問題は複雑であり、単に居場所を提供するだけでは解決には至らないかもしれません。
トー横周辺では、暴力団員による監禁暴行、未成年への性犯罪、補導件数の増加、市販薬の無許可販売、路上買春など、様々な問題が発生しています。
これらの問題を考慮すると、トー横キッズが安心して過ごせる場所を作るためには、単に物理的なスペースを提供する以上の取り組みが必要です。彼らの声を真摯に聞き、個々のニーズに対応するサポート体制の充実が求められます。
トー横キッズの寝る場所についてネット上やSNSの声・意見
トー横キッズの寝る場所についてネットニュースのコメント欄やSNSから声を集めてみました。
まとめ
「トー横キッズ」と呼ばれる若者たちは、様々な理由で家や社会から疎外され、東京・新宿の歌舞伎町周辺で寝袋での野宿、ネットカフェ、ホテルのソファ、またはホテル暮らしといった形で生活しています。
特にコロナ禍では、居場所を失った少女たちが増え、SNSを通じて危険な状況に陥ることも少なくありません。
これらの若者たちは、家庭や学校以外の「第三の居場所」として、安心して過ごせる場所を求めています。
しかし、東京都が設置した相談窓口などの支援施設も、必ずしも彼らのニーズに応えることができているわけではなく、彼らの問題は複雑で長期的な支援が必要とされています。
トー横キッズの現象は、若者たちが直面する社会的な課題の深刻さを示しており、彼らに寄り添うためには、単に居場所を提供するだけでなく、個々のニーズに対応した多様な支援やシステムの構築が求められています。