本来、夫婦は互いに助け合って生活をする義務があります。配偶者に生活費を渡すということは義務なのですが、共働きの夫婦で、夫が生活費をくれないと悩む奥さんはかなり多くいます。その悩みを誰にも相談できず、一人で溜め込んでしまう人は多いです。
そこで今回は、夫が生活費をくれない場合はどうしたらいいのか。モラハラというのはどんな状況のことをいうのか。モラハラかな?と思ったらやっておくといいこと。生活費をくれないということを理由に離婚できるのかどうかについてまとめました。
目次
夫が生活費をくれない場合はどうしたらいい?
「夫婦は同居し、互いに協力し扶助しなければならない」ということが民法752条で定められています。この「夫婦は同居し」という部分は、共働きの場合は仕事の都合など様々な事情で一緒に住むことが難しい場合もあるでしょうから、ちょっと時代遅れなのでは?と個人的には思ってしまうのですが、互いに協力し扶助しなければならないというのは夫婦であるならばどのような状況であれ、当然だと考えます。
もちろん生活費についても、お互いが出し合うべきです。夫が生活費を入れてくれないので妻が生活費のほとんどを負担しているような状態であれば、不満が溜まって当然ですよね。この場合、どうしたらいいのでしょうか。
具体的にできることとして、以下の4つが挙げられます。
(1)生活費を入れない理由を聞く

まずは、早急に話し合いの場を設けます。生活を入れてもらえない不満を素直に吐き出し、なぜ生活費を入れないのか理由を明らかにしましょう。夫婦ですから、どんな時も助け合って生きていくことが大前提なので、生活を共に営む上で大切な話題こそしっかりと2人で向き合うんだ!という意思をまずは示しましょう。
もっとも、この時点で問題が解決できるような夫婦関係ならば何の問題もないですよね。これができないから悩んでるんじゃー!!という方がほとんどだと思います。「普通に会話ができる」ってほんと大事ですよね。
(2)生活費をすべて書き出して現状を伝える
生活費をくれない夫は、そもそも「必要な生活費」を把握していないことも多いです。まずは月単位で必要な生活費を細かく書き出し、現状を夫と共有しましょう。
<固定費>
住居費
光熱費・水道
通信費
____________
↑固定費計 円
<生活費>
食費
日用品
美容院費
衣類費
交際費
医療費
外食費
コンタクト代
____________
↑生活費計 円
<毎月の貯蓄>
____________
↑貯蓄合計 円
こういった内容の話し合いをする場合、感情的に主張をするのはNGです。事前に「明確な数字やデータ」を用意しておくと、感情のぶつかり合いを防ぐことができ、具体的な話し合いの場をつくることが可能になります。
(3)両親など第三者を交えて話し合う
夫婦間での話し合いが成り立たない場合や解決の道筋が見出せない時は、お互いの両親など第三者を交えて話し合いをしてみましょう。
第三者を交えることで、夫がことの重大さに気づき反省することもありますし、夫婦で会話をすることの重要性を見つめ直すことができるといったメリットがあります。
(4)裁判所に調停を申し立てる
夫婦での話し合いができない、第三者を交えた話し合いもできない、となれば家庭裁判所に調停を申し立てましょう。
例えば、夫から妻に生活費が一切支払われていない場合、妻から「婚姻費用分担の申立」というものを行うことができます。婚姻費用とは、夫婦の生活費を意味するのですが、争点や問題点は様々です。家庭裁判所から問題解決のアドバイスを受けることができます。しかしアドバイスだけでは解決できないこともあります。
最終的に家庭裁判所が審判を下し、夫に支払い義務があると判断されれば夫側はそれに従わなければなりません。
生活費をくれないのはモラハラ?
生活費をくれない、話し合ってもくれる気配がない夫の行為は、経済的DVでありモラハラに該当します。
このような状況に置かれてどうにもできず悩んでいる妻はけっこういます。ママ友などにも相談しにくいので一人で悩みを抱えてしまうケースが多いです。
夫婦には「生活保持義務」といって、夫婦は同じ生活レベルで暮らせるように助け合う義務があるのです。金銭的な自由を奪うことで妻を支配し、身動きできないような状況まで追い込むことが、経済的DVの判断基準になります。
モラハラかなと思ったらやっておくといいこと
モラハラだと感じた場合や夫と話し合いができないような状況の場合は、第三者を介して話し合いをするために、様々な手段で記録を取っておくことをおススメします。
・物にあたる様子などを録画する
・モラハラを受けた日、時間などをメモに記録して残す
・モラハラ夫に対する改善要求の書面を作る
どうしても夫が生活費をくれない場合は離婚できる?
できます。話に応じてくれない場合法的な話をすることも一つです。
民法第760条
夫婦はその資産・収入その他一切の事情を考慮して婚姻から生ずる費用を分担する
民法第752条
夫婦は同居し互いに協力し扶助しなければならない
このような法律もあります。お互いが協力していかないことには家庭生活が成り立たないので、生活費の問題で離婚へと発展するケースもあります。

また、生活費を渡さないことが原因で離婚したいとした件数は、13,551件でした。
参考:平成27年司法統計年報|婚姻関係事件数
たまに共働き夫婦でも、経済的に夫に依存しているため、モラハラ夫と別れる決断ができないという方がいます。しかし、条件を満たせば慰謝料をとって離婚できます。慰謝料の金額は、被害を受けた方の精神状態によって大きく変わりますが、だいたい50万円〜300万円くらいです。場合によっては300万円以上の慰謝料が認められるケースもあります。
自分の収入でもやっていける!という方は、もめている間はウィークリーマンションに住んだりホテル暮らしをするなど、いったん距離を置いてみるという選択肢もあります。
また、「夫に離婚の話をする勇気がない」という奥様がいます。配偶者に離婚を切り出す勇気がない場合にも、弁護士に相談することは有効なのです。なぜなら、離婚までの手続きをあなたの代わりに行ってくれるからです。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は、夫が生活費をくれない場合はどうしたらいいのか。モラハラというのはどんな状況のことをいうのか。モラハラかな?と思ったらやっておくといいこと。生活費をくれないということを理由に離婚できるのかどうかについてまとめました。
この記事は、「モラハラ夫に悩む妻」に焦点を当てて書きました。記事内で参考にした平成27年度の司法統計データも「妻側が訴えた件数」のみ表記しています。世の中のモラハラに悩んでいる人は、必ずしも「妻側」だけではないということを最後にお伝えしておきます。