このように急な予定変更で、切符を変更しなければならないということもありますよね。
切符を変更するときのルールをまとめました。
目次
切符を変更する時のルール
結論から言いますと、指定券を含む乗車券類は、乗車前なら1回だけ変更できます。
切符を変更することを、使用開始前、使用開始後を問わずに「乗車変更」といいます。乗車変更のうち、切符を使い始める前に行うものを規則上、「乗車券類変更」と呼びます。手元にある乗車券や指定券などを、他の切符に取り替えてもらうことからの呼び名です。
その際、基本的な制約が二つあります。
(1)変更できるのは同じ種類の切符だけ
一つめは、同じ種類の切符にしか変更できないということ。同じ種類というのは、例えば乗車券を特急券にするような変更はできません。
じゃあ、こんなときは?
[speech_bubble type=”ln” subtype=”L1″ icon=”ahaha.jpg” name=”てく”]特急券を持っているんだけど、普通車からグリーン車に変えたいの。 [/speech_bubble] [speech_bubble type=”ln” subtype=”R1″ icon=”ekiin.jpg” name=”イケメンで優しい駅員さん”] はい、その場合は切符の種類が同じですので変更できます。[/speech_bubble]このように、特急券を持っていて普通車からグリーン車へ(つまり特急券+グリーン券へ)の変更ならできます。指定券から指定券への変更は“同じ種類”になるからです。また、片道乗車券を連続乗車券に変更するときも、同じ普通乗車券同士となりますので、変更することが可能です。
ここで、「連続乗車券」という言葉が出てきました。聞いたことがないという方も多いかもしれません。JR東日本の公式サイトで「連続乗車券」を見てみると、
とありますが、むずかしいですよね〜。
連続乗車券は、片道でも往復でもない第3の乗車券なのです。ちょっぴり複雑な経路で旅行をするときにお世話になることがあります。実用上は片道乗車券を2枚買うのと大した違いはありません。ただ、鉄道に詳しい方などは、連続乗車券を活用するなど乗車券の買い方を工夫して、普通に買うよりも安く切符を手に入れる方もいます。この方とかそうです。
座席が指定されていない自由席特急券、特定特急券、急行券、自由席グリーン券を、指定席に変更することもできます。ただし、指定席から自由席への変更は基本的にできません。変更後の列車の指定席が満席の場合のみ、自由席に変更できるというきまりがあります。
(2)乗車券類変更は1回だけ
二つめは、乗車券類変更は1回しかできないということ。変更後の切符には「乗変」と文字が入り、変更を行った切符であることを示します。この文字がある切符を変更すると2度目となり、いったん払い戻ししてから買い直しとなります。
乗車券や自由席特急券は有効期限が終了するまでが、変更の期限です。指定券は指定された列車が乗車駅を発車する時間を過ぎたら、変更、払い戻しできません。
乗車券類変更を行う場合、手数料は一切不要です。変更前の乗車券類より変更後の方が高い場合は差額の支払い、変更後の方が安い場合は差額の払い戻しとなります。
変更前が学割で変更後の乗車券も学割の条件を満たすならば、運賃は学割で計算してもらえます。また、乗車券類変更を行う際、変更前後の乗車区間に対する制約はありません。「東京都区内から大阪市内ゆき」の乗車券を「札幌から小樽ゆき」の乗車券に変更しても差し支えありません。
指定券の場合はどうなるの?
指定券も同じで、変更前後の列車、区間がまったく違ってもOKです。乗車区間に制約はありません。変更できる列車は、申し出た時点で発売されている列車に限ります。
7月10日乗車の「のぞみ」の東京〜新大阪間の特急券を、7月10日の発車前に、8月10日の「はやぶさ」仙台〜盛岡間に変更することはできますが、8月11日の「はやぶさ」へは、発売開始前なので変更できません。
定期券、回数券、割引きっぷの場合は?
なお、定期券、回数券、割引きっぷの乗車券類変更は基本的にできません。一度、払い戻してからの再購入になります。
特に、割引きっぷには注意が必要です。旅行の予定が完全な確定ではなく、変わることも考えられるのなら、どのような扱いになるのか、購入前に鉄道会社のウェブサイトをチェックしておいた方がよいでしょう。払い戻し自体は、手数料を支払えばできます。また、有効期間開始日の変更なら可能な切符もあります。
列車に乗ったあと、乗り越しをするなどの切符変更について
列車で得意先へ向かっている途中、携帯電話がブルブルと震えてメールが入り、別の得意先へも行ってくれ・・・ということもあるかもしれません。使用開始前の変更である「乗車券類変更」に対し、旅客営業規則では乗車券類を使い始めた(改札口を通過した)あとでも、切符の変更を行うことができるとし、その場合の取り扱い方法を定めています。
普通乗車券を使用開始後に変更することを「区間変更」と呼びます。一般的な区間変更としては、いわゆる「乗り越し」があります。券面に記された着駅から、さらに先へと行きたいケースです。
乗車券で乗り越した時は?
乗車券で乗り越した時は、元の着駅から新しい着駅までの運賃が必要となります。例えば「東京都区内から岡山ゆき」の乗車券で、福山まで乗り越す場合。岡山〜福山間の運賃970円を支払う必要があります。東京都区内〜岡山間と東京都区内〜福山間の運賃の差額ではありません。
東京都区内・特定市内、または東京山手線内着の乗車券で乗り越す場合
東京都区内・特定市内、または東京山手線内着の乗車券で乗り越す場合は、各市内などに含まれる駅で、乗り越す方向にある、いちばん端の駅からの運賃を払うことになります。大阪市内ゆきの乗車券で堺市まで乗り越す場合は、杉本町〜堺市間の運賃120円を払えばよいのです。
ただし、乗車区間の営業キロが100kmまでの普通乗車券で乗り越しをする場合は、差額を支払えばOKです。例えば、熊本から久留米ゆきの乗車券(営業キロ82.7km・1650円)で佐賀まで乗り越した時は、熊本から佐賀までの運賃2130円との差額、480円を支払えば大丈夫です。
また、発駅も着駅も大都市近郊区間内にあり、経路もすべて大都市近郊区間である乗車券を持っていて、やはり大都市近郊区間内の駅まで乗り越す時も、差額計算となります。例えば東京から新宿ゆきの乗車券で三鷹まで乗り越したならば、東京〜新宿間の運賃200円と東京〜三鷹間の運賃390円の差額、190円を払うことになります。
変更する区間に差額がある時
区間変更には、ある駅を分岐点として別の方向へと向かうような変更もあり得ます。例えば先の「東京都区内から岡山ゆき」の乗車券で、姫路から播但線経由豊岡へ向かうような場合です。その際は、使わない区間と変更する区間の運賃を比較し、変更する区間の方が高い場合は、差額を支払う必要があります。ただし、変更する区間の方が安い場合は、払い戻しはありません。
例を挙げると、姫路〜岡山間の運賃(1490円)と姫路〜豊岡間の運賃(1940円)を比較し、変更する区間の方が高いので差額の450円を払えばよいのです。仮に和田山までの変更だとすると、姫路〜和田山間の運賃は1320円ですので、お金の精算はなしとなります。
乗り越しの場合と同様、元の乗車券が営業キロ100km以下の場合と、大都市近郊区間の相互発着の乗車券の場合は、やはり元の乗車券の運賃と、変更後の全区間の運賃の差額計算になります。
そして、こうした規則は、発駅・着駅はそのままで、途中の経路のみ変更する場合にも、同じように適用されます。「東京都区内から岡山ゆき」の乗車券で、姫路〜岡山間を山陽新幹線経由から姫新・津山線経由に変更するようなケースで、不足額は精算、過剰額は払い戻しなしというのもまた同じです。
自由席特急券、特定特急券、急行券、自由席グリーン券
自由席特急券、特定特急券、急行券、自由席グリーン券でも、使用開始後の利用区間の変更や、指定席への変更が可能です。この場合、乗車券と同様変更前と変更後の料金を比較し、変更後が高ければ差額を支払えばOK。変更後の方が安くても払い戻しはありません。
おしまいに
いかがでしたでしょうか。今回は、切符を変更するときのルールについてまとめました。細かいきまりが色々とあるのでむずかしい部分もありますが、切符を変更する時の参考になれば嬉しいです。