家族が亡くなったあとのお通夜、葬儀、告別式のスケジュールをまとめました。
また、斎場が混み合っていて葬儀まで待機しなければならない時の、ご遺体をきれいに美しく保つ方法を実体験を交えながら紹介します。
目次
今日亡くなったらいつ葬式?一般的なお通夜と葬儀・告別式のスケジュール
地域によってお葬式の順番は多少異なりますが、一般的には亡くなった日の翌日にお通夜をします。
そして、亡くなった翌々日に葬儀・告別式をします。
流れとしては以下の通りです。
東北地方や北海道、甲信越の一部、中国地方や九州の一部では、
この順番でおこないます。
後者の場合、葬儀式や告別式で火葬後の遺骨が祭壇に安置されるので、「骨葬(こつそう)」と呼ばれます。
なお、家族だけでお葬式をすませ、後日、故人の友人や知人などでお別れ会や偲ぶ会をするケースも増えています。
お通夜や葬儀は希望の日程で行えるとは限らない
お通夜や葬儀は葬儀場や火葬場の都合で日程が決まります。
時期によっては斎場が混んでいて、希望通りの日程で行えない場合もあるのです。
まずは、葬儀会社や火葬場に空きがあるかを確認しましょう。
地域や季節によっては、1週間先まで予約で埋まっていることもあるので、注意が必要です。
私は過去に大切な人が旅立ったとき、斎場が混み合っていてすぐには葬儀ができませんでした。結局、3日待つことになりました。その際は、葬儀業者さんに相談して故人を自宅に安置させてもらうことができました。
お通夜や葬儀・告別式はいつまでにおこなうべき?
お通夜や葬儀・告別式は、いつまでに行うべきといった明確な決まりはありません。
しかし、遺体の腐敗は進んでしまうので、すみやかに手続きをする必要があります。
また、斎場が混んでいてすぐにはできないこともあります。その場合、遺体をしっかり保管しなければなりません。葬儀場でも保管はできますが、費用がかかります。
希望の日程が空いているとは限りませんし、色々な事態が起きても臨機応変に対応できるように、早いうちに手配を進めるに越したことはありません。
ただし、亡くなったからといってすぐにお通夜や葬儀・告別式を行うことはできません。
なぜなら、「亡くなってから24時間経過しなければ、火葬は行えない」と法律で定められているからです。
これには理由があり、まだ医療技術が発達していない時代のお話になりますが、死亡と診断されたあとにまれに蘇生するケースがあったのです。
そのため、火葬までに時間を置く必要があり、このような法律ができました。
もちろん、現在では一度死亡診断を受けた人が蘇生するということはほぼありません。
すぐに葬儀ができないときに検討してほしいこと|遺体の保存について
斎場に空きがなければ、待機することになります。
そんな時、気になるのが「遺体の保存」について。
通常は、遺体の保存のためにドライアイスを使うことが多いのです。しかしこのドライアイス、ずっと当てておくと逆に見た目が少し変化してきます。
例えば、ドライアイスで遺体を冷やすことにより、凍傷(とうしょう)になることがあります。
凍傷になると、皮膚が深い紫色..黒に近いような色に変色してきます。
また、亡くなると時間の経過とともに、眼のあたりのくぼみが目立ってきたり、口が少し開いてきてしまったり、顔色が変わってきたりします。これはどうしても避けられないことです。
しかし、せっかくなら皆さんと最後にお別れをする時、生前と同じような見た目で、きれいな状態を保ったまま、見届けてあげたいと思いませんか。
葬儀の時に、亡くなった人と対面する時、そのお顔(死に顔)というのは遺された人の記憶にずっと残るものです。
私も大切な人の死に顔は、忘れられません。
いい意味で。
悲しくて、辛すぎて、忘れられない…というネガティブな感情は不思議とあまりないのです。
((これは本当に人によると思います。あくまでも私の場合です。ふさわしくない表現だったらすみません。))
亡くなったという事実は、あまりにも悲しく、辛いことです。
亡くなってからかなりの時間が経ちましたが、いまだに毎日泣いてしまいます。この感情は一生持ち続けて生きていきます。
ただ、彼の死に顔に関しては「素晴らしい」という言葉しか当てはまりません。
私の大切な人でもある彼の死に顔は、ものすごく良い表情でした。ちょっと微笑んでるようにも見えて、彼の優しさと強さと賢さが滲み出ているような死に顔でした。
なんて穏やかなんだろう..まるで仏様そのものだ。仏に階級があるとしたら、最も高い位にふさわしいのではないだろうか。
あぁ、、きっと、素晴らしい人だから神に見初められて「この世においておくにはもったいないから、こっちの世界の仕事を手伝ってくれよ」とヘッドハンティングされたのかな。と勝手に思いました。
彼は生前、「神はいないよ」と私の目をまっすぐ見て言っていたけれど、今思うと、あなたが神様だったんじゃ!?
と、わりと真剣に思っております。
そのくらい素敵な人でした〜。
(;;^ω^)<「神なのか仏なのか、どっちなんだよ;;」
というツッコミはおいておく。
(;;^ω^)
大切な人が亡くなるって辛すぎて、
なんか、こういう風に思わないと、やってられん!ってのもありますよね。
というわけで、
彼の安らかな表情は、いまでも鮮明に覚えています。これからも忘れることはありません。
葬儀に参列した方も、「美しい」「きれい」「眠っているみたい」「声をかけたら起きそう」と言うほど。
実は、葬儀の前にとあることをやっていました。
それは、エンバーミングというもの。
葬儀の前にやるべきエンバーミング実体験
エンバーミングとは、遺体衛生保全というものです。
エンバーミングは、「エンバーマー」と呼ばれる専門の技術者、あるいは医学資格を持った医療従事者によって行われます。
- エンバーミングの手順
- 全身の消毒処理と洗浄を行う。
- 髭を剃る、表情を整えるなどの処理を行う。
- 遺体の一部分を切開し、動脈から防腐剤を注入する。同時に静脈から血液を抜く。
- 腹部に小さな穴をあけ、胸腔や腹腔に残った血液あるいは腐敗しやすい残存物を鋼管で吸引し、同時にその部分にも防腐剤を注入する。
- 切開した部分を縫合し、それ以外の損傷部分についても修復を行う。傷痕はテープなどで隠す。
- 最後に全身を再び洗浄し、衣服を着せて表情を整え直す。
エンバーミングを施すと、数日~2週間程度はドライアイスなしでも遺体をきれいに保存することができます。
また、必要に応じて、顔などに復元処置を施すこともできます。
事件や事故で損傷が激しい遺体などの場合、遺族に大きな衝撃と悲しみを与えます。
こうしたケースでは、死化粧を施すだけでは、故人を安らかな顔にすることが難しいのですが、エンバーミングで生前の姿に近づけることが可能です。
エンバーミングの利点
エンバーミングをすると、遺体が腐敗しません。
そのため、火葬を急ぐ必要がないという利点があります。
斎場に空きがなく、すぐには葬儀ができないという時にも便利ですね。
また、エンバーミングで使用する防腐液の色は、赤色なんです。
赤色の防腐液を使うので、遺体の顔色がよくなり、生前に近い状態にすることができます。
すごいですよね。
私の彼も、もともときれいでしたが、葬儀まで数日間の待機期間があったので、エンバーミングできれいにケアしてもらいました。
そしたら、びっくりするくらい、ものすごくきれいになりましたよ!
ちょっとお肌もツヤっとしていて。笑
すごい技術だなぁと感動したのを覚えています。
本当に、スヤァ…と気持ち良さそうに寝ているようにしか見えなくて。
死亡直後の処置などで、口を閉じさせるためにバンドを巻くことがありますが、あれをやると痕が残ることがあるんですね。そのような痕も、エンバーミングをやるときれいに消えます。
葬儀では、親しい人たちが故人の顔を見てお別れすることが多いですよね。
このような時、より安らかな姿で皆さんとお別れができるようにと、エンバーミングを施すケースもあります。
エンバーミングをすると、遺体の黄疸、水泡の発生や異臭、腹水などを防ぐことができます。
また故人が感染症にかかっていた場合、周囲への感染を防ぐ効果があります。
そのため、例えば手を握ったり頭や顔を撫でて言葉をかけるなど、遺族や参列者は故人と触れ合ってお別れすることができます。
遺体の姿が生前とほぼ変わらない、また死後硬直もないため、抵抗なくご遺体に接することができるのも、エンバーミングのいいところです。
私も大切な人とのお別れの時に、手を握ったり頭を撫でたりしながら、たくさんお話をすることができたので、嬉しかったです。
何よりも、生前とほぼ変わりない美しい姿で親族や参列者の方々とお別れができて、本人は嬉しかったと思います。
エンバーミング、本当におすすめです。
私も自分がいつかそうなるときは、エンバーミングをやってほしいと事前に周りに言っておく予定です。
エンバーミングの費用は?
気になる、エンバーミングの費用について。
費用は、15万円前後かかります。
これに加えて、エンバーミングをするための処置をする施設への往復の搬送費用がかかります。
搬送費用は、業者さんによってまちまちです。
また、設定金額も業者さんによって異なります。
設定金額とは何を指すかというと、例えば遺体の修復を無料で行ってくれるところもあれば、料金が細かく設定されているところもあります。
ちなみに私が経験したときは、葬儀業者さんがエンバーミングについて教えてくれました。
もともとエンバーミングというのは知らなかったのですが、
葬儀業者さんが、このように説明してくれました。
「お花など周りの装飾を派手にしてお金をかけるよりも、個人的には、ご遺体をきれいに美しい状態を保てるという点でも、大切な故人様にお金をかけてあげることをおすすめします。これまで仕事柄多くの方を見てきて、本当にきれいに仕上がるので、心からおすすめできます。」
費用は約15万円でしたが、本当に素晴らしく、大満足でした。
作業もテキパキとしてくださって、こんなに大切にしてくれて、色々と気持ちも考えてくださって、業者さんには感謝しています。
業者さんとお話をしていく中で、気持ちが少し冷静になったというか、お話を前向きに進めていかなくてはならなかったので、自分の気持ちがどうかよりも、彼のことを考えて、彼がどうしたら喜んでくれるか、を考えることに打ち合わせ中は集中できました。
また、エンバーミングをする際に、白装束ではなく私服に着替えることも可能なんです。
葬儀の時は、白装束を着るのですが、少しお家にいる日数があったものですから、「どちらにしますか?」と聞かれました。
生前、お気に入りの服だとか、思い入れのある衣装などがある方には、いいかもしれませんね。
私はお葬式をまだ、ほとんど人生の中で経験してきませんでしたので、
そんなことができるんだ!と新たな発見がありました。
結局、何度も着替えるのは彼が疲れてしまいそうだし、ご遺体もできるだけ最高にきれいな状態で保ちたかったので、なんとなく動かしすぎてはいけないような気もしたので、最初から白装束を着せてもらうことにしました。
業者さんは、淡々とテキパキとお仕事をしながらも、しっかりと我々遺族の気持ちを考えてくれたので、どの業者さんを選ぶか、というよりも結局は「人」だなぁと思いました。
こんな状況でも、少しでもあたたかい気持ちにさせてくれる仕事のやり方って素晴らしいですよね。
業者さんを見習って、私も前を向いて進まないと、という気持ちになりました。
ちなみにですが、自社でエンバーミング施設をもっていない葬儀社もあります。その場合、値段がやや高くなる傾向にあります。
おしまいに
ここまで、葬儀の流れやエンバーミングの実体験について紹介しました。
参考になったら幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。