「松茸の育て方が知りたい!」
そう考える人は多いでしょう。今回は、マツタケの栽培方法や人工栽培についてまとめました。
>>松茸洗い方|基本の洗い方と虫食いの跡がある松茸の洗い方を紹介!
>>松茸の取り方には正しいやり方がある|マナーと知識を持って楽しもう
>>松茸が生える条件10選!条件を知って松茸に出会う確率を上げよう
>>松茸の探し方|松茸が生える場所の特徴や探すポイントを簡潔に紹介
目次
松茸の育て方|マツタケの栽培方法
マツタケは、野生のキノコで、自然に生えてくるキノコです。「マツタケ山」は、もともと農民たちが、日々の生活である稲作農耕の中で行ってきた松林で仕事をしていく過程で、出来上がったものです。
その結果「マツタケ山」と言われるほどマツタケが大発生する状況が出来上がりました。その裏には、農民たちが赤松の繁殖がうまくいくように手を加え、林にまで育成させるなどの「松という植物社会を繁栄させるシステムをつくる」作業をしていました。
このことから、マツタケはいわゆる半栽培のキノコとも言えます。
それでは、私たちは具体的に何をすればマツタケを育てることができるのでしょうか。
現代では人工栽培が難しすぎる
残念ながら、現代ではどうがんばってもマツタケを栽培することができない、と言われています。
昔はがんばらなくても山に行けば自然に生えていたキノコなのに・・・なんで・・・。
背景には、我々の生活環境の変化が影響していました。
環境の変化
地球温暖化などの気候変動、海面上昇、砂漠化、熱帯雨林など森林の減少は、マスメディアでも大きく報道されるので、知っている方も多いと思います。
しかし、あまり大きく取り上げられないために関心が集まりにくい「生物多様性の危機(減少)」という深刻な問題が、いまとんでもないスピードで進行しています。
例えば、絶滅危惧種。世界中では年に4万種もの生物が絶滅しているという現状。さらに、生態系での食物連鎖や共生関係など考えると1種の絶滅は、その周囲にいる10〜20種もの生物の生活に影響をもたらすと言われている。
もちろん、日本も日本に住む私たちも、この深刻な問題の影響を受けている。しかし、そのことに気がついている人や関心を持っている人があまりにも少ない。
大多数の人間は、生物多様性や環境について気にする機会はないと思う。
みんな毎日を生きることに一生懸命であって、自分や周りの人間が穏やかな毎日を過ごすことができれば、幸せ。という人は多い。私もそうです。
ここで、「環境問題に関心を持て!」なんて言うつもりは全くない。
ここで伝えたいのは、私たちが毎日を穏やかに、幸せに生きていくことができているのも、生物多様性とそれによって支えられている様々な生態系からの「サービス」(働き・機能)に依存し、恩恵を受けて生きているということ。
この関心すら持ったことのないかもしれない「生物多様性」が崩壊したら、今の私たちの当たり前も崩壊するということ。気にもとめたことのないほどの「当たり前」が。
ちょっと話が長くなりそうなので・・おおざっぱに言いますと、
森林がなくなったら、美味しい魚介類を食べることはできなくなるし、
良質な土(土壌微生物のいる土)がなくなったら、良い作物がとれなくなってしまう。
「生物多様性の危機」をこのまま放っておくと、最悪、私たち人間が健康を維持することは難しくなる。
例えば、腸内には300種類もの細菌が共存していて、絶妙なバランスが保たれています。悪玉菌と善玉菌のバランスですね。皮膚にも常在菌がいます。
最近では、「育菌スキンケア」なんていう美容法が雑誌に載っていました(笑)
育菌とは、菌のバランスを保つために、顔やカラダを過度に洗い過ぎず、また不潔にもせず菌と上手に付き合っていくことです。
<<おーい、松茸の話から逸れすぎだぞー!>>
えっと。
つまりですね、松茸が育つ環境が、日本にはもう無くなってしまいかけているということです。もうここまで来ちゃってる。松茸が、絶滅危惧種になりかけてる。
私たちは、より生きやすくするために、知恵を絞って生産性や利益を上げようと奮闘してきました。その過程で、生物多様性と生態系のバランスを崩すこともあった。
それなのに、「松茸が高すぎる!」とか文句言ってるの矛盾してる。
「松茸が少なくなったら人工的に作ればいいから」なんて見立ては、大外れでしたね。「人工的には作れないものもあるんだよー!!」って絶滅を目前に控えた松茸たちが叫んでいますよ。
松茸<<僕たちのこと、見捨てないよね・・・?>>
今、日本の百貨店やスーパーで売られている松茸の9割が輸入松茸です。
松茸の育て方|人工栽培について!
気になる「松茸の人工栽培」。
しかし、松茸にとって必要不可欠なアカマツ林が、全国各地で荒廃が進んでいるんですよね〜。原因は、松食い虫の蔓延です。
現に、京都府ではマツタケは絶滅危惧種になっています。もう、里山の多様性も失われてきています。
このような現状に危機を感じ、里山を再生し、松茸を復活させようと奮闘している方もいます。
「まつたけ十字軍」代表 吉村文彦さん
https://blog.goo.ne.jp/npoiroem
確かな知識で真摯に松茸と向き合う研究者。ブログでは、日々の活動報告も行なっています。仲間と楽しく山で活動をしている方です。参加者を募集しているので、あなたも里山再生活動に参加することもできますよ♪
人工栽培に成功!バカマツタケとは
2018年10月に、肥料メーカー多木化学(本社・兵庫県加古川市)が松茸と風味がよく似た「バカマツタケ」の完全人工栽培に成功したと発表しました。これは、世界初の快挙です。
気になるのは、「バカマツタケ」というネーミング。
なんで、こんな名前に!?(失礼w)
人工栽培に成功した研究者によると、「マツタケより発生時期が早く、生えてくる場所も違うから」だそうです。
え、なんかかわいそうだなぁ(笑)
ブランドイメージを意識した商品名も考えているそうなので、ぜひ、もう一度よく検討していただきたいです!
でも、バカマツタケという名前だからこそ、注目が集まったのも事実だそう・・・(笑)
どうやって人工栽培に成功したの?
できないと言われていた松茸の人工栽培。なぜ成功したのか?
・先行文献を読み、他のキノコの栽培技術を応用した。多彩な環境条件や発生要因をためした。
・「いつか必ず成功する」という強い思いがあり、アイデアもたくさんあったので辛くなかった。
・数字に表れない細かい変化にも気づけるようになり、すべてメモを取った。
これが、「松茸の人工栽培成功」という偉業を成し遂げられた理由です。
松茸の研究者じゃなくても、普段のお仕事にも活かせる成功の秘訣ですね!
勉強になります。
世界で初めての偉業ということで、注目され取材が殺到したそうです。農家の方から松茸の菌を売って欲しいという連絡も殺到しました!
そりゃ〜、松茸菌がもらえるならば欲しいに決まってますよね!
人工栽培ができるなら、すぐに菌を買って松茸を育てて販売したいですもん。でも、みんなが栽培できるようになったら、市場価値下がるだろうし、それなら自分で食べるように栽培すればいいか。
家庭菜園レベルで松茸を普通に自分で育てて食べる時代も来るのだろうか・・・?
未来が楽しみですね(@ ̄ρ ̄@)
今回、人工栽培に成功した研究者の方は、誰にも松茸菌を売っていないようです。
今後の展開について
バカマツタケの今後については、肥料メーカー多木化学(本社・兵庫県加古川市)が製造、販売を目指しているそうです。ただ、大量生産や流通など課題はまだまだあります。
他者との連携も含めて、より多くの人の元に届くように方法を探っているところだとか。
大量生産が成功したら、値段を下げたいという思いもあるそうです。
おしまいに
松茸と風味がよく似ている、味はバカにできない「バカマツタケ」。私もぜひ食べてみたいです!
>>松茸洗い方|基本の洗い方と虫食いの跡がある松茸の洗い方を紹介!
>>松茸の取り方には正しいやり方がある|マナーと知識を持って楽しもう
>>松茸が生える条件10選!条件を知って松茸に出会う確率を上げよう
>>松茸の探し方|松茸が生える場所の特徴や探すポイントを簡潔に紹介